にき

先日の夕方、散歩に行こうとした矢先にどこぞのセールスマンがやって来ました。名前を聞けば殆どの人が知っているであろう「D建宅」という会社名を名乗るなり「こんにきに使っていない土地をお持ちではないですか?」と聞いてきましたなぁ。"こんにき"なんて言葉を使うから地元の人間だろうと思いきやそれ以外は訛りのない標準語なのでおかしいなぁ…と感じました。名刺を貰いつつ聞いたら事務所は佐世保にあるけれど、最近どこぞから転勤してきて、"こんにき"というのは地元の先輩に最初に教えられたらしいです。

ということで、今回取り上げる方言シリーズの"さざんことば"は『にき』。
20181129_niki.png

まずは、「にき」を辞典で見てみると、
『連語で完了の助動詞「ぬ」の連用形「に」に過去の助動詞「き」の付いたもの。すでに済んでしまった事柄を回想して述べる。話し手の直接経験について用いることが多い。…してしまった。すでに…た。(大辞林)』
となっていて、用例は全て古文なので現代の標準語では使われていないのは確か。方言として使っていても、全く違った意味になります。

「にき」は場所・方向を示す語に付く助詞で、「〜んにき」として
・あんにき=あの辺り
・こんにき=この辺り
・そんにき=その辺り
・[場所]んにき=[場所]の辺り
などの使い方があります。

例えば、
・街角で老人に「こんにきにコンビニはなかですか?」と尋ねたら、遠くに見える駅を指して「あんにきにあるちゃなかきゃ」と返ってくるというのは、「この近所にコンビニはありますか?」と「駅の周辺にあるではなかろうか」という意味。
・佐々町を知らない人から「佐々ってどこにあるの?」と聞かれ、「長崎県の北の佐世保んにきたい」と答えるのは「佐世保市の位置に近い」という意味。
・「この花は買ったの?」の問いに対する「山んにきに生えとるとば採ってきたとさ」との場合は「山の周辺」を指す。
・身体の一部を指す例
a

語源については全く持って不明。いつもの勝手解釈をするなら、"区切れた一定の土地・場所"という「域(イキ)」が同義と言えるのでその変化形(イキ→ニキ)ではないかしらん?
それを調べている最中、この言葉が九州北部だけで使われる方言だと思っていたのに香川・愛媛・鳥取などでもでも使われているのが判りました。ところが同じ九州でも鹿児島だと「憎い」という意味になるらしいのでビックリです。そう言えば、かつてF1レースのテレビ中継を徹夜で見ていた頃の第一人者は「アイルトン・セナ」だったけれどその前には「ニキ・ラウダ」というレーシングドライバーが活躍していたのを思い出しますなぁ。歳がバレるってか…

20181129_niki.gif

◆これまでの【さざんことば】 ←気が向いたらクリック

ただいまの時刻
カレンダー
<
>
- - - - - - -
- - - 1 2 34
5 6 7 8 9 1011
12 13 14 15 16 1718
19 20 21 22 23 2425
26 27 28 29 30 - -

全記事

プロフィール

syugoo

Author:syugoo
佐々はいいところ。
大阪からUターンして故郷の空気を満喫しています。

最新記事一覧
パソコンのリカバリー 2019/08/21
収穫続くトマトとヘソを曲げた茄子 2019/08/18
夏の甲子園と台風 2019/08/14
Linuxでの文字エンコーディング 2019/08/10
夏の甲子園 2019 2019/08/07
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
QRコード
QRコード